リバティ ラウンド二つ折り財布

 青森も桜が満開となりました。近所の桜並木もとても綺麗で心を和ませてくれます。弘前も外堀は満開のようで、内堀もそろそろ満開のようです。平日にも関わらず6万人を越える方がいらしているようで、これから土日にかけてさらに多くの人出になりそうです。

 桜の季節は嬉しい反面、辛い気分にもなります。
5年過ぎ、精神的にはだいぶ落ち着きましたが、まだまだ妻との闘病生活の記憶が生々しく、複雑な心境になってしまいます。
そんな折り、新聞の読者投稿欄(結構楽しみに見ています。)に、「母に寄り添い 共に生きた日々」と題した投稿を目にしました。読んでいて過去の記憶が鮮明に蘇り、涙で文字が歪んでしまい、少し苦労して読みました。筆者の純朴な母への思いに、感激と尊敬の念を込めそのまま記載いたします。

乳がんを患い10年。母は逝った。ヴィッグをつけ、つえをつき、母の生活は不自由との付き合いだった。
それでも、できるおしゃれを探した。
最後の5ヶ月間は病室だった。
失われる体の機能、弱っていく体力。
寝たきりになり65歳にしてオムツの生活になった。
上品な母が病室の天井を見据えてつぶやいた。
私の人生なんて、くそくらえだ。
誇り高く気が強く、弱音も愚痴も言わない母が私の前で泣いた。
ごめん。」と言いながら泣いていた。
言葉が見つからず、母の手を握って私も泣いた。

次の日、母に手紙を渡した。
お母さんの人生悪くないよ。お母さんのために動いてくれる人、助けてくれる人がいるよ。お母さんを思ってくれる人がいるよ。たくさんの人が支えてくれているよ。ありがたいね、感謝だね。
本人にしか病の痛みも苦しみも、つらさも不安も恐怖もわからない。
だからきっと孤独だ。
でも、独りではないことを感じて欲しかった。

過去を悔やまない、今日を見よう。
ベストでなくていい、ベターでいいんだよ。
できることはまだいっぱいあって、それを大事にしようよ。よりよく生きて欲しい。その手助けに私がいるよ。

頑張って」っていう言葉は使わなかった。
それから毎日過ごし、笑い、互いにいらついては悪態をついた。

いつかの夕暮れ時、母が私の頭をなでてくれた。
温かく柔らかな手で。
私が母に支えられていた
共に生きた毎日だった。   

私の場合は、妻は最後まで愚痴を言いませんでした。最後のほうは「ありがとう。」しか言わなくなりました。
亡くなる一月前、医師にかなり無理を言って自宅で療養したことがあり、点滴からオムツの替えまで全て私が世話をしました。
徐々に弱っていく姿は、本人は当然ですが見守る人も共にゴルゴダの丘を登っていくような心境になります。
でも後で振り返ってみると筆者と同じように、結局は自分が支えられ励まされていたことに気付くんですね。

 
 さて今回は、ホビーラ限定ジェニーズリボンズのビニコとやや青みがかった紺色の牛革を使用し、二つ折りのラウンドファスナーのお財布を作りました。
ただ3番目の写真にあるように、ビニコ生地部分が少し波を打った感じに仕上がってしまいました。
使用する分には問題ございませんがご了承願います。

表側のリバティ生地の裏にはキルトスポンジを使用し、重ねた革部分にはパンチング加工を施しています。

内側も同じ本革を使用し(一部シャンタン使用)、札入れを2ヵ所、カード入れは9ヵ所、他に2ヶ所カードなど入れられるスペースを作りました。
小銭入れはBOXタイプで着脱できるようになっています。
ファスナーのスライダー部分の革に「Smile Partner」の文字が入っています。

可愛らしさと落ち着きあるデザインになっています。

 <サイズ> 縦 11.5cm 横 11cm まち 4cm
重量 230g
※ 多少の誤差はご容赦願います

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